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口頭

高密度電子励起透明材料におけるプラズマ反射の長周期振動

熊田 高之; 赤木 浩; 板倉 隆二; 乙部 智仁; 横山 淳

no journal, , 

高強度超短パルス光(800nm, 70fs, 10$$^{14}$$-10$$^{15}$$Wcm$$^{-2}$$)により高密度電子励起した、石英・サファイア・パイレックスにおける、プラズマ反射の時間挙動を追った。反射率は3試料ともに、励起光照射時よりも10ps後に最大(25%)を示し、40ps周期の振動を伴いながら減衰した。本結果は、プラズマ反射と格子振動との相関により引き起こされたものと考えている。

口頭

ニッケル不純物を含む銅酸化物高温超伝導体の電子状態と共鳴非弾性X線散乱のクラスター計算

筒井 健二; 遠山 貴己*; 前川 禎通

no journal, , 

ニッケル不純物を含む銅酸化物高温超伝導物質に対する共鳴X線散乱スペクトルのクラスター計算を行い、不純物よりもホールが多い場合の電子状態や共鳴X線散乱スペクトルを議論する。

口頭

円偏光レーザーによるIII-V族半導体の動的自己核偏極

小泉 光生; 後藤 淳*; 松木 征史*

no journal, , 

短寿命核の核磁気モーメントの測定を行うため、動的自己核偏極(DYNASP: DYnamic NucleAr Self Polarization)法を用いた核偏極技術を開発している。DYNASPとはDyakonovらが予言した現象である。III-V族半導体の電子を直線偏向した レーザーで励起し、数K程度の臨界温度以下とすることにより、大きな核偏極が得られる現象である。われわれはDyakonovらの理論を、円偏光したレーザーを用いて電子を励起した場合に拡張し、それによる核偏極への影響を理論的に解析した。その結果、円偏光を用いると臨界温度以上においても核偏極が現れることや、レーザーの偏向度を変化させると臨界温度以下で核偏極がヒステリシス曲線を描くことなどを見いだした。

口頭

粒子線によるDNA損傷,4; 粒子線の軌道付近の電子密度,電子温度

森林 健悟

no journal, , 

低エネルギーの重粒子線が細胞に照射されると衝突電離で生じた水イオンの電場で二次電子が粒子線の軌道付近にトラップされることを以前、明らかにしたが、本発表では軌道付近の電子の密度,電子の温度を示し、それによって再結合が起きる時間を議論する。3MeV/uのエネルギーの炭素線が照射させると軌道から1nm以内に10$$^{20}$$/cm$$^3$$-10$$^{21}$$/cm$$^3$$の密度、5-10eVの温度の電子が存在する。この電子が再結合を起こす時間は数10fsから100fs程度であることがわかり、100fsを超えるシミュレーションでは再結合過程が不可欠であることを明らかにした。

口頭

重い電子系化合物YbCo$$_2$$Zn$$_{20}$$の中性子非弾性散乱実験及び磁場効果

金子 耕士; 吉内 伸吾*; 竹内 徹也*; 本多 史憲*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦

no journal, , 

Yb$$T_2$$Zn$$_{20}$$の中でも$$T$$=Coでは、電子比熱係数$${gamma}$$が8J/mol K$$^2$$近い極めて重い電子状態が実現し、かつ強い磁場依存性を示すことが報告されている。中性子非弾性散乱により、f電子状態を微視的視点から調べた。その結果、低温では重い電子状態に起因する強い準弾性散乱を観測するとともに、結晶場励起に対応する鋭いピークを0.6meVに観測した。このうち、準弾性散乱については、磁場とともに強くdumpすることを見いだした。これらの観測結果から、結晶場モデルや磁場応答について議論する。

口頭

量子統計に従ったプロトン移動反応の経路探索; 応用

志賀 基之; 藤崎 弘士*

no journal, , 

本発表では、福井謙一により考案された固有反応座標のアイデアを拡張して、量子多体系の化学反応経路を求める第一原理計算手法を提案する。すなわち、反応物から生成物へ至る化学反応過程において、量子統計力学的自由エネルギー障壁が最小となる経路をストリング法を用いて探索するものである。これによって、大きな熱揺らぎ,量子ゆらぎを伴う複雑な水素結合系のプロトン移動反応について、量子力学に基づいた第一原理的解析が可能になる。なお、この成果は、第一原理シミュレーションにより、原子力材料の水素脆化プロセスの理解を深めることにも寄与する成果である。

口頭

多重極電磁石を用いた荷電粒子ビームの集束

百合 庸介; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 石堀 郁夫; 奥村 進

no journal, , 

多重極電磁石を用いて荷電粒子ビームを集束すると一般にその横方向強度分布は複雑に変化する。本講演では、ビーム輸送系における6極又は8極電磁石の非線形集束力に起因する分布変化に関して、1次及び2次のモーメントを元にビームの重心位置及び平均2乗半径を理論的に解析した結果について報告する。導出した理論の確認には粒子トラッキングシミュレーションを行った。また、多重極電磁石を用いたビーム集束の応用例として、高崎量子応用研究所のAVFサイクロトロン施設における大面積均一イオンビーム形成実験の現状についても紹介する。

口頭

高速クラスターイオンの希ガスとの衝突による解離・荷電変換断面積,3

齋藤 勇一; 千葉 敦也; 山田 圭介; 鳴海 一雅

no journal, , 

近年、MeVエネルギー領域のクラスターイオン照射を利用した表面改質や高感度表面分析などの応用技術の開発が行われつつある。一方、これら応用の基盤となるMeV領域クラスターイオンと物質との相互作用に関して、詳細なメカニズムの解明には至っていない。そこでわれわれは、MeV領域の負クラスターイオンとさまざまな気体の衝突による荷電変換及び解離の割合の測定から、解離・荷電変換断面積を導出することにより、相互作用のメカニズムに関する研究及び気体との衝突による荷電変換を利用するタンデム加速器の効率的な加速方法の開発を行っている。本実験では、標的気体のサイズ依存及び入射クラスターのエネルギー依存を調べるため、標的気体としてキセノン及び窒素を用いて、炭素負クラスターイオン(C$$_n$$:n=2,4,8,10)について、衝突エネルギーを変化させて各断面積を導出した。その結果、(1)解離断面積,荷電変換断面積ともキセノンのほうが大きい、(2)クラスター構成原子数の増加に対して、解離断面積はともに増加するが荷電変換断面積はほぼ一定、(3)本実験のエネルギー範囲(0.5MeV-3MeV)では、解離断面積,荷電変換断面積ともに、ほぼ一定、という結果が得られた。(3)の結果から、3MVタンデム加速器のエネルギー範囲では、荷電変換時に解離する割合が、加速エネルギーに対してほぼ変化しないことがわかった。

口頭

短パルス高強度レーザーのプラズマ透過光スペクトル計測

小瀧 秀行; 林 由紀雄; 川瀬 啓悟*; 森 道昭; 神門 正城; Koga, J. K.; Bulanov, S. V.

no journal, , 

高強度レーザーのブルーシフト現象には、レーザーがプラズマを生成するときの屈折率変化によって起こるものと、航跡場による光子加速の2つがある。屈折率変化によるシフトは、プラズマ密度に依存し、集光強度や相互作用距離に依存しない。一方、光子加速は、集光強度や相互作用距離に依存する。3TW, 40fsのチタンサファイアレーザーをガスジェットに集光し、透過光計測を行った。ガスジェットノズルの位置,ガス密度及び集光強度を変化させながら計測を行い、ガス密度(プラズマ密度)依存性及び相互作用距離及び強度依存性について調べた。透過光の周波数シフト量は、相互作用距離に比例しており、光子加速の影響が大きいと考えられる。また、相互作用距離が長い部分に関しては、シフト量は集光強度に依存するが、相互作用距離が短い部分に関しては、集光強度に依存しない周波数シフトが観測された。後者は屈折率変化に伴う周波数シフトと考えられる。

口頭

フェムト秒レーザーアブレーション過程における軟X線反射率の局所フルエンス依存性,1

錦野 将元; 長谷川 登; 富田 卓朗*; 南 康夫*; 武井 亮太*; 大西 諒*; 石野 雅彦; 山本 稔*; 寺川 康太*; 海堀 岳史; et al.

no journal, , 

フェムト秒レーザー照射によるアブレーション等の現象の理解は、レーザープロセッシングの新たな可能性を開拓するために不可欠であるが、その基礎的なメカニズムは理解されていない。単一パルス照射によって引き起こされる過程を高空間・高時間分解能で取得したダイナミクスに関する情報は、フェムト秒レーザーによるアブレーション現象を理解するうえで重要である。そこで低密度プラズマの影響を受けずに物質表面の構造変化を直接観察することが可能な軟X線レーザーをプローブ光とするフェムト秒レーザーポンプ・軟X線レーザープローブの時間分解反射率イメージングを行い、レーザーアブレーション過程の時間分解イメージングを行った。フェムト秒レーザーの照射強度によって生成されるアブレーション領域を3つの領域に分けて得られた時間分解計測結果について講演を行う。

口頭

アクチノイド偶々核の第一励起準位エネルギー

浅井 雅人; 塚田 和明; 笠松 良崇*; 豊嶋 厚史; 佐藤 哲也; 永目 諭一郎; 佐藤 望; 石井 哲朗

no journal, , 

アクチノイド偶々核の第一励起準位エネルギーを、高分解能$$alpha$$線測定並びに$$alpha$$-$$gamma$$同時計数測定によって精密に決定した。Pu, Cm, Cf, Fm同位体の合計8核種について系統的に測定し、アクチノイド領域の偶々核の第一励起準位エネルギーの陽子数・中性子数依存性を系統的に明らかにした。第一励起準位エネルギーは、Cm及びCf同位体において最小値を取り、その後陽子数の増加とともに増大することが明らかとなった。この傾向は、陽子数114の球形閉殻の存在を考慮することで定性的に説明できる。また、$$^{252}$$Fmにおいて極小値を取り、陽子数100と中性子数152の二重変形閉殻の存在を実験的に明らかにした。

口頭

局在5fウラン化合物の結晶場励起

目時 直人; 山本 悦嗣; 酒井 宏典; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟*

no journal, , 

US$$_2$$は、低温で結晶場励起,温度が上昇して電気抵抗が8桁減少するに伴い、混成効果によって磁気的な準弾性散乱を示す。磁気励起ギャップ($$sim$$80K)と伝導ギャップ($$sim$$90K)が、電気伝導の金属-絶縁体クロスオーバーや準弾性散乱が生じる温度スケール($$sim$$100K)と等しいため、局在5f電子系が温度上昇に伴って遍歴的となることが、電気伝導性と相関を持つと考えられる。今回、磁気励起スペクトルのクラマース・クロニッヒ変換を行ったところ、SQUIDで観察された静帯磁率を非常によく再現できることがわかった。これは、(1)測定範囲12meVのエネルギーを越えた励起が存在しない、(2)磁気相関が弱く局所帯磁率が支配的であることを意味している。さらに(3)非弾性散乱を結晶場(局在パート)と準弾性(遍歴パート)に分離することで、静帯磁率に対する各々の寄与を見積もることができた。低温で局在モデルは良い近似であるが、温度上昇に伴って連続的な準弾性散乱が支配的となり、結晶場モデルの前提である不連続のシャープな準位と励起が存在しなくなる。結晶場モデルはこの条件で漸近する低温極限であることが明らかになった。

口頭

スピン偏極陽電子消滅によるスピンホール効果の直接検出の試み

深谷 有喜; 前川 雅樹; 薮内 敦; 望月 出海; 吉野 達郎*; 齊藤 英治; 河裾 厚男

no journal, , 

最近、非磁性体においても電流によりスピン流が発現するスピンホール効果が注目を集めている。これまでに、さまざまな手法を用いてスピンホール効果が検出されている。しかし、いずれの方法も間接的な検出であり、通電状態でスピンホール効果を直接検出するものではない。本研究では、高スピン偏極陽電子ビームを用いて、スピンホール効果により発現する非磁性体表面のスピン偏極電子を直接検出することを試みた。測定試料として、大きなスピン蓄積が期待できるPt薄膜を用いた。また薄膜表面に効率的にスピンを蓄積するため、Pt薄膜の膜厚を50nmとした。測定ごとに通電方向を入れ替えて消滅$$gamma$$線のエネルギー分布を測定したところ、3光子消滅強度に明瞭な通電方向依存性が観測された。現在のところ、通電方向によって薄膜表面でのオルソポジトロニウムの生成割合が変化し、その消滅過程である3光子消滅強度に変化が現れたと考えている。講演では、試料への印加電圧依存性,スピン偏極陽電子ビームの打ち込みエネルギー依存性についても報告する。

口頭

自己イオン照射による水素化アモルファスシリコン薄膜の電子輸送機構変化

佐藤 真一郎; 齋 均*; 大島 武; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 近藤 道雄*

no journal, , 

通常、水素化アモルファスシリコンの電気伝導はバンド間励起したキャリアによるバンド伝導によって支配されている。イオン照射を行うとフェルミ準位付近の状態密度の増加によってバンド伝導が失われ、暗伝導度や光伝導度の減少が生じることがわかっているが、高線量域でのイオン照射効果については不明な点が多い。本研究では、高エネルギーの一次はじき出し原子とみなしうる自己イオン照射による低線量域から高線量域に渡る広範囲での電気伝導度の連続的な変化を観察した。その結果、高線量域ではバンド伝導から局在準位を介したホッピング伝導に遷移していくこと、また、はじき出し損傷量10$$^{-4}$$dpa(displacement per atom)以上では試料の初期キャリア濃度によらず同じ変化を示すこと、これらがはじき出し損傷効果に起因していることも見いだした。

口頭

第一原理計算による透明素材中での高次高調波発生

乙部 智仁

no journal, , 

時間依存密度汎関数法の基礎方程式である時間依存Kohn-Sham方程式をブロッホの定理に基づいて実時間実空間法で解くことで強いレーザーによる透明材料(ダイアモンド)中での高次高調波発生のシミュレーションを行った。その結果バンドギャップを超えるエネルギーの光のスペクトルは基本波より広い幅を持つことがわかった。さらに光学絶縁破壊が起きることで基本波とともに高調波も青方偏移することが明らかとなった。

口頭

第一原理分子動力学法によるカーボンアロイ触媒における酸素還元反応機構の研究

池田 隆司; Hou, Z.*; Wang, X.*; 寺倉 清之*; 尾嶋 正治*; 柿本 雅明*; 宮田 清蔵*

no journal, , 

窒素をドープしたカーボンアロイ触媒が固体高分子形燃料電池の正極における酸素分子還元反応の有力な白金代替触媒として注目を集めている。触媒活性のさらなる向上のためには、触媒活性点と反応機構のミクロな理解が必須である。われわれはこれまでに、炭素材を端のあるグラフェンシートとして簡素化したモデルを用いて第一原理電子状態計算を基盤とした分子動力学計算を行い、グラフェンにおける触媒活性に寄与する窒素の配置及び触媒活性点での酸素分子還元反応の反応機構を調べてきた。その結果、窒素をグラフェンの特定の位置にドープすると金属がなくても触媒活性を示すことを見いだしている。一方、東京大学の尾嶋グループにより実際に合成されたカーボンアロイ触媒の分光実験が放射光を用いて精力的に行われ、われわれの提案した触媒活性点モデルを支持する実験結果が得られている。本講演では、シミュレーションから示唆されたカーボンアロイ触媒における酸素還元反応の反応機構をまとめて議論する。

口頭

高温高圧下の水の第一原理シミュレーション

池田 隆司

no journal, , 

液体の水はH$$_2$$Oという簡単な分子の集合体であり、理論解析も容易そうに見えながら、ごく最近の研究においても、なお十分な理解に至っているという状況ではない。液体の水の性質を分子動力学法によって調べる際に、水分子間の相互作用を経験的に与えてシミュレーションを行うことも盛んに行われてきた。しかし、水分子の分極率が大きいため、周囲の水の配置によって電気双極子モーメントの大きさが敏感に変化する、などの様子を経験的に与えることは容易ではない。第一原理分子動力学法は1985年にCarとParrinelloによって提唱され、それ以後、物質科学の多くの分野において幅広く使われている。水への適用はParrinelloグループによって開始され、それ以降盛んに行われている。本講演では、まず、水の第一原理分子動力学シミュレーションの現状をまとめ、次に、高温高圧下の水に関するわれわれの最近の結果を紹介し、今後の展望について触れる。

口頭

M1遷移のEnergy-weighted sum-ruleに対するテンソル力の影響

湊 太志

no journal, , 

Spin-flip型のM1遷移に対するテンソル力の効果を、乱雑位相近似法(RPA法)を用いて理論的に調べた。特にM1遷移の和則に着目し、ピークの位置と$$B(M1)$$の強さの関係を調べた。テンソル力はE1遷移に対する和則($$m_1$$)に影響を与えない一方で、M1遷移の和則には強い影響を与える(T42パラメータの場合: $$m_{1}$$=158$$mu^{2}_{N}rightarrow183mu^{2}_{N}$$)。それと関連し、テンソル力はE1遷移分布をほとんど変化させないが、M1遷移分布を大きく変化させる。$$j$$を一粒子準位の全軌道角運動量、$$l$$を軌道角運動量とすると、$$j_{<}$$軌道($$j_{<}=l-1/2$$)と$$j_{>}$$軌道($$j_{>}=l+1/2$$)の占有率によって和則は増減し、各々の原子核によって異なるテンソル力の影響が現れることがわかった。また、和則の増減にかかわらず$$B(M1)$$の強さはほぼ同程度である一方で、ピーク位置が増減していることがわかった。つまり和則の増減はピーク位置の増減に比較的強く左右されていることがわかった。

口頭

強いE$$times$$B流があるときのジャイロ粘性力

宮戸 直亮; Scott, B. D.*; 矢木 雅敏

no journal, , 

核融合プラズマの非線形シミュレーションでよく用いられる簡約化流体モデルは、伝統的にはより厳密なBraginskii方程式などから低周波近似等を課して導出される。この際、ジャイロ粘性を取り扱う必要があるがその計算は複雑である。これとは別に、簡約化運動論モデルの流体モーメント方程式から簡約化流体モデルを導くことができる。この導出ではジャイロ粘性の計算は不要で、逆に簡約化していない方程式と簡約化方程式を比べることでジャイロ粘性による力を求めることができる。われわれは強いE$$times$$B流を含む簡約化運動論モデルの流体モーメント式から、流体モーメントの押し出し表現を介して、簡約化流体モデルを導き、それと簡約化していない流体方程式と比較してジャイロ粘性力を求めた。

口頭

X線ラマン散乱法によるEuPd$$_2$$Si$$_2$$の価数転移の観測,2

稲見 俊哉; 石井 賢司; Jarrige, I.; 光田 暁弘*

no journal, , 

X線吸収分光法による希土類のM, N吸収端の内殻励起スペクトルは、4f電子の価数や空間対称性,混成の程度などを検出できる手法として知られている。しかし、軟X線を用いるため物質に対する侵入長が短く、高圧実験は不可能である。X線ラマン分光法はX線の非弾性過程を利用する手法で、X線吸収スペクトルを得る代替法として知られている。硬X線を用いるため極限環境に適しており、近年、希土類のような重元素の電子構造の研究にも用いられ始めている。前回、このX線ラマン分光法の物性研究への適用可能性を確認するため、価数転移を示すEuPd$$_2$$Si$$_2$$を試料としてテスト実験を行った。EuのN吸収端に対応する構造を観測した一方で、強度不足のため定量的な議論はできなかった。今回は、散乱強度の増大を目的に分光器に改良を行い、再実験を行った。SPring-8の原子力機構ビームラインBL11XUを用い、10Kと200Kで測定した。ほぼ計算通りの150倍の強度の増強に成功し、さらにN吸収端に加えM吸収端の測定にも成功した。驚くことに得られたエネルギー損失スペクトルは温度依存性を全く示さず、一方、L吸収端でのX線吸収スペクトルを測定したところ明瞭な価数転移を示した。

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